犬のしつけで役に立つオペラントの条件付け、行動原理について犬のしつけ用に簡単に説明します。
しつけに悩まれている方は1度ぜひ読んでみて下さい。
オペラントの行動原理とは、行動の直後に起こった事によって、その行動が増えたり、減ったりするということです。犬も人にも当てはまります。
犬に褒めて行動を伸ばして下さい。やご褒美をあげて下さい。
または叱ってください。などもオペラントの行動原理に沿ったものになります。
わんちゃんだと、記憶力の関係で直後(1~3秒以内)が適切なタイミングです。
専門用語の説明
〇強化・・・行動が増える
〇弱化・・・行動が減る
〇好子・・・うれしい、快感
〇嫌子・・・嫌、まずい、不快感
犬の行動に対して、飼い主様が嬉しい事(好子)をする、嫌な事(嫌子)をする場合の悪い例と適切な例
問題がある場合の望ましくない悪い場合
× | 強化 | 弱化 |
---|---|---|
好子 | 問題行動にやさしくすることで問題行動が増える(間違った愛情をかけてしまった) | 望ましい行動に対して褒めてもらえないので行動が減る(報われなかったとき) |
嫌子 | 嫌な事があり、ストレスがたまったので噛む(𠮟り過ぎ、環境など) | 望ましい行動をしたら怒られたので行動が減る(間違ったしかり方) |
しつけをする上で行う望ましい適切な場合
〇 | 強化 | 弱化 |
---|---|---|
好子 | いい行動の直後に褒めその行動を増やす | 問題行動に対しての不適切な愛情を減らすことで問題行動が減る(悪いことをほめる) |
嫌子 | 過度なストレスを減らすことで問題行動が増えないようにする | 叱ることで問題行動が減る |
しつけのイメージとして
問題行動に対して✖の表になることをまずは減らしていくこと。
そして〇の表を増やしていくと正しいしつけになります。
そのためには・・・
適切な誘導をすること
環境を整えること
適切なタイミングで強化又は弱化を選ぶこと
犬にどうやって褒める、叱るを伝えるか
強すぎない、弱すぎない、褒め方(叱り方)をすることができるか
犬の性格に合ったやり方をできるか
などなど
エルドッグのドッグトレーナーの仕事はここを整えるお手伝いすることです。
ちなみに・・・
最近は陽性トレーニング(褒めて伸ばす)だけしかできないトレーナーが増えています。『叱る必要はありません。褒めるだけでいいんです』など見栄えのいい言葉ですが絶対に反対しています。
何故なら犬も人も欲望が会って進化して来た生き物だから、学習したら適切な行動を取り続けるわけではないし、そして嫌子(不快感)も必要だから体の感覚機能にあるからです。
例えば
おなか減った(不快感)→食べる(行動)→満腹感(快感)
暑い、寒い(不快感)→移動(行動)→回避
いい匂い(快感)→だいた体にいいいもの→獲得?
臭い(不快感)→だいたい触れない方がいいもの→回避
など当たり前のことにも嫌子は存在します。
回避したいことに不快感、いいことに対して欲求→快感があります。
適切に付き合うこと
多すぎない、少なすぎないのバランスが大事
食べすぎる→太る、楽しすぎて羽目を外す→問題行動
薬は量や場合によって毒にも良薬にもなるのと同じです。
もちろん嫌子(不快感)が強すぎてしまうは問題ですし、極力減らしていくべきだと思います。なのでなるべくは誘導をして褒めることを重視します。
また使役犬訓練の域だと褒めることが重要です。長所を伸ばして、持っている才能や能力を使い役に立つことが求められるからです。アスリートや技術職などの人などもです。
ただし使役犬の訓練としつけや問題行動の改善は別もので、訓練所上がりの訓練士は(独断と偏見)陽性トレーニングが多い、コマンド(指示)だけを教えていい子になったと表面を綺麗にして終わりだったりします。しつけにしっかりと精通しているか、考え方が合うか、合わないかをみるのもしつけを頼む上では大事になります。
話はそれましたが
いい行動を褒めるとその行動は増える
悪い行動を叱るとその行動は減る
悪い行動に快感を得られないようにすると行動は減る
悪い行動につながるストレスを減らすことで行動を増やさない
これだけ覚えて頂ければと思います。