ドッグトレーナーの言うエネルギーとは?

犬のしつけやドッグトレーニングの文脈で使われる「エネルギー(エナジー)」は、スピリチュアルなオカルト話ではなく、「人間や犬が放っている雰囲気、覇気、緊張感、あるいは心の余裕」といったものを、感覚的にわかりやすく言語化したものです。

1. 人間側の「エネルギー」とは?
犬は人間の言葉を理解しているわけではなく、人間の「非言語コミュニケーション」を驚くほど敏感に察知しています。トレーナーが言う「エネルギー」の正体は、主に以下の3つです。

感情と生理現象(心拍数やアドレナリン)
人間が「あ、吠えそう!どうしよう…」と焦ったり、怒ったりしているとき、体は緊張し、心拍数が上がり、呼吸が浅くなります。犬はこれを「飼い主がパニックになっている=危険な状況だ!」と察知し、自分も興奮したり警戒したりします。このピリピリした空気を「マイナスのエネルギー」と呼びます。

姿勢と態度(ボディーランゲージ)
胸を張って堂々と歩いているか(自信に満ちたエネルギー)、おどおどして腰が引けているか(弱いエネルギー)です。犬の社会では、堂々としていて冷静な個体が信頼されるため、人間の姿勢や態度がそのまま犬へのリーダーシップに直結します。

一貫性と「覚悟」
「ダメなものはダメ」とブレない芯を持っているかどうかです。人間の迷いや「かわいそうかな…」という躊躇は、犬には「頼りないエネルギー」として伝わってしまいます。
よく「穏やかで毅然としたエネルギー」が大事だと言われますが、これは「心はイライラせず落ち着いていて、態度はブレずに堂々としている状態」を指します。


2. 犬側の「エネルギー」とは?
一方で、犬が持っている「エネルギー」は、「その子が持っている活動量のキャパシティや、その瞬間の興奮度合い」を指すことが多いです。

持って生まれたエネルギーレベル
犬種や個体によって、「1日中走っても元気な高エネルギーな犬(ボーダーコリーやジャックラッセルなど)」もいれば、「寝ているのが好きな低エネルギーな犬」もいます。

エネルギーのバースト
運動不足や退屈によってエネルギーが体内に溜まると、犬はイライラし、吠えや破壊行動などの「問題行動」としてそれを爆発させます。

3. なぜ「エネルギー」という言葉を使うのか?
「非言語コミュニケーション」「微細なボディーランゲージ」「心拍数やホルモンの変化」「毅然とした態度」と一言ずつ説明すると、専門的すぎて直感的に伝わりにくいからです。

それらを総称して「あなたがまとっている雰囲気(=エネルギー)を、犬は全部見抜いていますよ」と伝える方が、飼い主側も「あ、自分が焦ったらダメなんだな」と直感的に理解しやすいため、多くのトレーナーがこの言葉を使っています。

要するに、「犬をごまかすことはできない。犬をコントロールしたければ、まずは自分自身の心と態度(エネルギー)をコントロールしなさい」というアプローチを意味しています。

ちなみにエルドッグでは抽象的で伝わりにくいので、極力使わないようにトレーニングしています。

2026年05月18日