犬を「褒める」ための言葉選び

犬に言葉で喜びを伝える際、高い音、低い音の矛盾は犬を混乱させます。トレーニングの精度を高めるために、言葉を「音程の特性」で分類しました。


1. 褒めるに向いている言葉(高く・明るい音)
喜びのエネルギーを犬に伝え、行動の定着を促すための言葉です。高い音が出しやすく、犬にポジティブな刺激を与えます。

「いい子!」
特徴: 日本人にとって最も自然な「愛情の響き」です。意識的に明るいトーンで伝えれば、犬に喜びがストレートに伝わります。伸ばすことで感情の深みを乗せられる、褒め言葉です。

「そうッ!」
特徴: 短く鋭く言い切ることで、迷いのない肯定を伝えます。「今、その行動が正解だ!」という瞬間的な判断を高く明るい音で伝達するのに適しています。

「ありがとう!」
特徴: 感謝の気持ちを伝える言葉は、自然と表情が柔らかくなり、声のトーンが明るく高くなります。犬にとっても、飼い主が心から喜んでいることが伝わる、非常に温かく響く言葉です。


2. 褒めるに向いていない言葉(低くなる・混同を招く)
これらの言葉は、発音の構造上、またはトレーニング上の役割の重複により、犬に不要なプレッシャーや混乱を与える可能性があります。

「グッド(Good)」
理由: 喉の奥で響く破裂音が含まれるため、物理的に低く、こもった音になりやすい言葉です。喜びの表現としてはエネルギーが不足します。

「Good boy / Good girl」
理由: 言語的な響きが深く重いため、犬には「称賛」ではなく「低圧な警告」のように聞こえるリスクがあります。

「よしッ!」
理由: 多くのトレーニングにおいて「待て」などの状態を終了させる「解除の合図」として定義されています。これを「褒め言葉」として使うと、犬は「行動を止めていいんだ(解除)」と勘違いし、集中が途切れてしまいます。


余談
日本のドッグトレーナー育成学校やプロのトレーナーでもこの言葉を使っている人もいますが、海外では混乱を招くので使わないトレーナーが多く、褒めるときにはNICEやYESなどを使用しています。
また盲導犬など使役犬が英語で教える理由は日常で混乱させないためですが、家庭犬で英語が流行ると使役犬の邪魔になるとも考えています。エルドッグでは日本語のコマンドで指導します。

2026年06月15日